前頭側頭型認知症は、頻度は多くありませんが、特徴的な症状を呈する認知症です。
前頭葉を中心とした神経変性を呈するために、前頭葉症状を中心とした症状を生じます。
前頭葉は、注意、実行、計画、抑制、言語などの人間として重要な機能を多く担っています。
前頭葉が障害されると、衝動的で、抑制が効かなくなったり、言語機能の低下、などが生じます。
前頭側頭型認知症の患者さんでは、前頭葉や側頭葉の前方の萎縮を呈します。
以前は、顕微鏡でピック球と言われる構造物がみられるため、ピック病と言われていたことがあり、前頭側頭型認知症とピック病はほぼ同じ意味で使われていました。しかし、近年研究が進み、ピック球以外にも、他の構造物が蓄積しているタイプの前頭側頭型認知症の方が見つかっています。なので、前頭側頭型認知症は、いろんな神経の病気が含まれることになります。
前頭側頭型認知症の患者さんの特徴的な症状としては、
初期には、人格変化がみられ、それまでの性格とは変わって、抑制が効かない、衝動的に手がでる、相手を気遣わない言葉がでる、などの症状がみられます。高齢期に万引きをしてしまうなどから、見つかることもあります。また、生活のバリエーションが狭くなり、同じ時間に、同じことをしないと気がすまない、というような生活のルーチン化が起こります。例えば、午前中に散歩をする、というスケジュールが定着すると、雨でも、台風でも、その時間には外に出ていこうとするなどがあります。他には、非影響性の亢進といって、外的な刺激に反応しやすい、過敏に反応しやすいということが起こることがあります。言語の障害がメインとなり失語症を呈することもあります。意味性認知症、進行性非流暢性失語など、細かい分類がありますが、失語症の専門でも、分類が難しいことがあります。
徘徊がスケジュール化してしまうことがあり、制止すると怒ってしまって、手が出るなど、介護が非常に大変なタイプの認知症で、在宅介護が困難になることが多いです。
初期~中期が、激しい症状ですが、重度になってくると、前頭葉症状がさらに進行します。そうすると、自発性の低下といって、自分から何かをしようとしなくなり、一日中まったく動こうとしない、などの症状がでます。
あまり有効な治療法はなく、介護負担も大きいので、家族だけで抱え込まず、サポートを入れながらの介護になります。精神科の認知症病棟に入院する可能性も高いです。
特定疾患に認定されています。
認知症専門医 千葉悠平
前頭葉を中心とした神経変性を呈するために、前頭葉症状を中心とした症状を生じます。
前頭葉は、注意、実行、計画、抑制、言語などの人間として重要な機能を多く担っています。
前頭葉が障害されると、衝動的で、抑制が効かなくなったり、言語機能の低下、などが生じます。
前頭側頭型認知症の患者さんでは、前頭葉や側頭葉の前方の萎縮を呈します。
以前は、顕微鏡でピック球と言われる構造物がみられるため、ピック病と言われていたことがあり、前頭側頭型認知症とピック病はほぼ同じ意味で使われていました。しかし、近年研究が進み、ピック球以外にも、他の構造物が蓄積しているタイプの前頭側頭型認知症の方が見つかっています。なので、前頭側頭型認知症は、いろんな神経の病気が含まれることになります。
前頭側頭型認知症の患者さんの特徴的な症状としては、
初期には、人格変化がみられ、それまでの性格とは変わって、抑制が効かない、衝動的に手がでる、相手を気遣わない言葉がでる、などの症状がみられます。高齢期に万引きをしてしまうなどから、見つかることもあります。また、生活のバリエーションが狭くなり、同じ時間に、同じことをしないと気がすまない、というような生活のルーチン化が起こります。例えば、午前中に散歩をする、というスケジュールが定着すると、雨でも、台風でも、その時間には外に出ていこうとするなどがあります。他には、非影響性の亢進といって、外的な刺激に反応しやすい、過敏に反応しやすいということが起こることがあります。言語の障害がメインとなり失語症を呈することもあります。意味性認知症、進行性非流暢性失語など、細かい分類がありますが、失語症の専門でも、分類が難しいことがあります。
徘徊がスケジュール化してしまうことがあり、制止すると怒ってしまって、手が出るなど、介護が非常に大変なタイプの認知症で、在宅介護が困難になることが多いです。
初期~中期が、激しい症状ですが、重度になってくると、前頭葉症状がさらに進行します。そうすると、自発性の低下といって、自分から何かをしようとしなくなり、一日中まったく動こうとしない、などの症状がでます。
あまり有効な治療法はなく、介護負担も大きいので、家族だけで抱え込まず、サポートを入れながらの介護になります。精神科の認知症病棟に入院する可能性も高いです。
特定疾患に認定されています。
認知症専門医 千葉悠平
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