認知症介護者のためのブログ

医師を含む複数の専門家による、認知症介護者へのメッセージ。 認知症に関する様々な情報を提供します。

認知症は、状態像ですが、認知症を呈する病気は多岐に渡ります。

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症は、4大認知症と言われており、頻度も比較的多いです。その他にも、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、アルコールによる認知症、ビタミンなどの栄養障害に伴う認知症などもあります。また、高齢者のてんかんが、認知症のように見えることもあります。外傷性の認知症もあります。神経難病といわれる、皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症なども認知症を呈すると言われています。

 

身体疾患に伴うものとしては、塩分バランスが崩れている場合、腎機能障害、肝機能障害、心不全などが背景にある場合、内分泌疾患が背景にある場合など体の不調から、脳の機能を悪化させる場合もあります。

 

また、高齢者は、内服薬が多くなり、薬の副作用で、認知症のようになることもあります。

 

ここに挙げたものの他にも、認知症の原因疾患は非常に多岐に渡っており、正確な診断は実はとてもむずかしいです。認知症の専門外来では、認知症の有無に加えて、認知症の鑑別といって認知症の原因を特定するための、診察や検査を行います。

 

それぞれの病気ごとに、症状や経過が異なり、薬物療法や生活の支援といった点でも、違いがあります。また、適切な対応を行うことで、認知機能も改善することがあります。認知症がかなり進んでしまうと治る認知症も治らない可能性が高くなってきます。そのため、早期の受診が、大変重要です。

 

認知症の鑑別のためには、お医者さんは、たくさんの病気の知識を頭に入れる必要があります。アルツハイマーや、レビー小体型認知症にそっくりでも、実は別の病気であることもあります。

 

認知症の鑑別診断は、認知症専門の病院や、全国の認知症疾患医療センター指定病院で受診することができます。一般的には、問診の他、頭部の画像検査や血液検査を行うことが多いです。物忘れを含めて、今までとの違いが気になるようでしたら、一度受診するのが良いでしょう。

 

認知症専門医 千葉悠平

現在日本には、約460万人(2015年の調査)の認知症患者がいると言われています。

また、世界では、約4600万人(2015年)の認知症患者がいると言われています。

世界的に、認知症患者の数が増えていて、これは、高齢化、長寿命化の影響が一番大きいと言われています。

認知症になると、物忘れや、運転などの操作ができない、身の回りのことができない、といったことが数ヶ月~数年の経過でゆっくりと、目立ってきます。また、進行してしまうと、転びやすくなったり、たべものが喉に使えたりするなど、生活に注意が必要になり、介護も必要になってきます。

 

認知症の定義は、

一旦正常に認知機能が発達した人が、なんらかの後天的な理由によって、認知機能障害を呈するようになり、日常生活に困難をきたすようになった状態。と言われています。

 

分解すると

    一旦正常に発達 ・・・ 人生のある時期では、日常生活を送る上でサポートなしで過ごせた。

    認知機能障害を呈している・・・よかった時と比べて認知機能の低下が見られている。

    日常生活に支障をきたすようになった状態・・・一人暮らしは困難

 

3つの要件が揃うと認知症と診断されます。

 

認知症という診断名は状態を示しているにすぎません。

この①〜③の状態については、みじかな人の方がよくわかっていると思いますし、このような状況があれば、認知症が強く疑われますので、かかりつけ医や、認知症を専門にしている医師の診察を一度は受けた方が良いです。

 

認知症、認知機能障害が生じている原因を含めて診断するためには、さらに詳細な診察や検査が必要なことがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症、レビー小体型の認知症など、認知症の中にも、いろいろなタイプがあり、それぞれ対応や予後、薬物療法、気をつけるポイントが違ってきます。

 

ちなみに、上の①②はあるけれど、③とまでは言えない、という方でも、不安であれば、物忘れ外来の受診は可能です。医学の進歩もあり、詳細な診察、MRIや、核医学的検査などで、認知症の手前の段階でも、認知症のタイプを診断することもある程度可能となってきています。正常老化との区別もできます。また、実際、受診することで、今までの生活習慣を振り返ったり、今後気をつけたりすることや、今後に向けた生活の準備をする機会になります。

 

 

認知症専門医 千葉悠平


老化とは何でしょうか。

高齢になれば、だれでも、物忘れは出てきます。なれていないこと、しばらくぶりの人の名前や顔が思い浮かばないことも、必ずしも異常とは言えません。

一般的に、高齢になると、意欲の低下、感情の起伏、集中力、理解力の低下などがある程度出てくることが普通です。さらに、仕事や役割が少なくなるために、外出の頻度、活動量の低下がみられます。高血圧、脂質異常症といった生活習慣病や、関節痛などの整形外科的な疾患も含めて、いくつかの持病があることも普通に見られます。

 

高齢期にみられるこのような生理的変化の背景として、脳神経にはどのような変化が起きているのでしょうか。老化した脳は、正常の脳と比べて、びまん性の軽度の脳萎縮がみられ、顕微鏡で詳しく見ると、びまん性老人斑と言われる変化がみられます。これは、アミロイドと言われるタンパク質から構成されている、老化の変化です。老人斑は、アルツハイマー型認知症の脳変化としても、出現してくるものです。(詳しくは難しいのですが、興味のある方は、http://dementia.umin.jp/link4-3.html

 

アミロイドは、毎日起きているときに脳内に増えて、睡眠の後に、量が減ることが知られています。最近の報告では、脳内のリンパ系といわれる、グリンパティックシステムと言われる機序によって、睡眠中に脳内の掃除が行われている可能性が示唆されています。グリンパティックシステムの詳細や、アミロイドの出現の原因は、まだ詳しくはわかっていませんが、今後の研究が期待されます。(https://www-karger-com.laneproxy.stanford.edu/Article/FullText/490349

 

 

生理的な脳の中では、長年かけて老化に伴う変化が起きています。そのために、老化に伴った精神、認知、運動機能の変化が出てくると言われています。

 
認知症専門医 千葉悠平

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